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8.242014
何でも来たれ

色んな朝がある。
夜中、雨が降って、樹々の湿った香りのする初夏の朝、、
まだ、まどろんでいる中、汽笛がぼーっと聞こえた日には、もうそれだけで幸せ。
長ーいメール、、ラブレターじゃあない、、相談のメールをもらった朝。。
そのせいだわ、、運転しながらメールの文面を思いだしていた。
答えは彼女の中にあったはずだけど、確認したかっただけじゃあないかな。
もう、夜も寝てないんだろう。心配で、、、
だいじょうぶかな、、、私が言ったことは通じたのかな、、、
そう思った時、前を走っていた市の清掃車から、制服の作業着を着た男たちが飛び降りてはゴミ袋をかっさらい、車後部に投げ入れる。そうして、また、車に乗り、次の地点へと動き黙々とゴミを集める。
徐行だけど、赤いバンダナを額に巻いて作業をしているその人が目に付き、追い越しそびれた。
暑い中の肉体労働。見ているだけでも大変だけど、赤という色のせいかな、、
赤いバンダナのその男に、明らかに強い意思が見えたような気がしたのだ。
メールが気になり、もやーっとしていた頭が、突然切り替わった。
どこでどう繫がっていったのか、多分、5,6年前のNY。
場面は、マンハッタン高層ビルの一室だ。
留学していた次女が、友達に聞いたとかで、占いの人を訪ねることになった。
真剣な悩みがあったわけじゃない、彼女たちはフアッションのように占ってもらう。
わたしも長女も同じようなもので、一人20分ずつ予約を取ったのだと思う。
最初に私が入った。
アメリカの占いなんてどうなんだろう、、そんな好奇心もあった。
しかし、最初の数分で顔色が変わった、自分の顔見えないけど(笑)、、、多分変わった。
こう言ったのだ。
最近、幸せになろうとした、そして、なりかけた時、断たれた、、、
それは偶然とは言い難い、細かいところまで本当だった。そして、こうも言った。
ともかく、あなたを覆っているもやもやしたものをとりのぞいてあげるから、500ドル払えば、すっきりしますと。
しかし、下手な英語でわたしもいったものだ。
そういうやり方は好きじゃない、占いも断るから、3人分、75ドル今払います、、、とドル紙幣を無造作にテーブルに放った。
そうして、目を白黒させている娘たちに、ろくに説明もせず、部屋を出た。
500ドル、考えようによっては、高くないのかもしれない。
けれど、その時のわたしには、5万で運命変わったら世話ない、という反発があった。
それくらい、その時の喪失感が深かったのかもしれない。
結論はこうだ。
100ドルでもお断り、それで、何がどうなるのか、何だって受けてやろう。
ああ、もう、どうにも止まらない~。
わたしが、バンダナどころじゃない、真っ赤なスーツをまとった瞬間だ。
それから、心がどんな風に辛かったとか、今、あまり思いだせないのです。
仕事、恋愛、病気、、色んな越えなきゃいけない壁がある。
普通の覚悟ではぶち当たれない壁にあたったら、心の衣替えをするしかない。
強面なブラックスーツでもいいし、真っ白なドレスでも、、、
きっと、乗り越えられる、赤いバンダナマジック。
彼女が、どんな心の装いで彼に会いに行くのか、二人のご縁、響運を祈るばかりです。