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真夜中の訪問者

近所に野良猫嫌いの人がいて罠を仕掛けたのを偶然見つけた時は驚いた。

するとそこへ馴染みのハナクロと呼んでいる猫が近寄って行くではないか。その黒い模様がのっている鼻を檻の入口に突っ込み、しかしそれ以上進まない。何やら警戒しながら探っている様子にハラハラする。危険を知らせようと私は洗濯室の小窓を両手でバン!と叩いた。

ハナクロは我に返ったようにそこを離れた。檻には餌が入っていたが危機感を感じて探っていたのだろう。それは経験則から来るのか野良の危機察知の本能が立ち止まらせるのか。。

人のもこんな危機察知、能力というのか感というものがあるはず。わたしにはそう思わせる実体験があるのです。

山梨のパワースポット昇仙峡を訪れたのは学生時代のこと。旅行が好きでその日も親友と楽しみに出かけたのです。泊まりは石和温泉の中堅旅館。ロビーが広く鉄筋5階建の棟がL字に建っている。私たちは夕飯の前に早めに大浴場へ行った。

大浴場は洗い場に座ると目の位置にずっと横長に窓があって、中庭の緑が美しい。ゆっくり湯船につかっては体を洗い、、その内ふと誰かに見られているような気がして外を見る。マジマジと見るが誰もいない。気のせいだね、と又湯船につかるがやはり誰かが見ている気がしてならなかった。夕食を食べた頃にはそんなことも忘れ、体もぽかぽかで私たちは11時頃すぐ寝入ってしまったのだが。。

真夜中の2時、草木も眠る丑三つ時、突然目が覚めた。音がしたとかでなく突然目が開いたら男がじっと私を見下ろしていた。その時の男の目を私は今でもはっきりおぼえている。友人はまだ起きない。そんな時に起き上がり私の口をついて出た言葉は、どちらさまですか?

男はもう普通の顔に戻り、ホテルのもんだが戸締り確認してるんだよとか言い訳を始めた。そのうち友人も起き出し、のんきなお嬢さんたちだ、気をつけるんだな!と捨て台詞を残し窓から出て行った。。窓の外のベランダがずっと続いているのだ。怖さはかんじなかったが、フロントに電話をするのに指がブルブル震えてかけられない。男を見たときは冷静だったのに、恐怖は危機が去ってこみあげる。

やはり大浴場を誰かが見ていたのだろうか。人はいなかったが私が感じたのは何か気のようなものか。見下ろされた目線も感じて、と言っても寝ていたからやはり気配か。。

ともかく私たちは無事だった。手相でよく言われるご先祖様が守ってくれたのかもしれない。

ニュースで見る事件はテレビでみる限り他人事だが誰にでも起こりうる。もしあの時目が覚めなかったらどうなっていただろう。

直感のようなものを感じる器官は松果体で、現代人はこの機能を使う機会が少ないだけに衰えているそう。しかしこんな危機的なことばかりでなく日々の暮らしの中でもそれが役立つ場はあるはずなのです。

次の機会にまた書いてみたいと思います。

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